Asia Insight 「立ち上がるトランスジェンダー ~タイ~」(日本語版)

NHK BS1
2020年1月27日(月) 14:00~14:30
ディレクター/高島宏起
コーディネーター/宇崎 真  
編集/松田美子
撮影・プロデューサー/熊谷 均

タイはアジアの中でもLGBT(性的マイノリティ)に寛容な国として知られている。レストランや美容院で働く性的マイノリティの人々や仲睦まじいカップルを街角で目にすることも多い。タイ政府もLGBTを売りにしたツアーを積極的に展開し年間4000万人の外国人観光客を呼び込んでいる。こうしたことからタイはLGBTの“楽園”とも言われる。しかし、偏見や差別は今も根強い。中でも性的マイノリティの人々が就ける仕事はエンターテイメント、美容、接客などに限られ、教育、官庁、大企業の扉は重く閉ざされている。大企業に就職しても自認の性を隠して働く人は少なくない。
  去年、こうした状況に風穴を開ける出来事が起きた。タマサート大学で非常勤講師をしていたトランスジェンダーのケート・カンピンブーンさんが「大学の品位にふさわしくない」として講師の採用を拒否されたことに対し訴えを起こし勝訴したのだ。それをきっかけに公立学校や大学でLGBTであることを明らかにする教員や学生が急増。それに対し、保守的な学校では教員を解雇するなど強硬な対応に出ているため、性的マイノリティの人々の抗議や訴訟が相次いでいる。 ケートさんの裁判をきっかけに立ち上がったLGBTの人々を見つめ、タイの社会のゆくえをさぐる。

ディレクター/高島宏起
コーディネーター/宇崎 真  
編集/松田美子
撮影・プロデューサー/熊谷 均