アフガンに命の水を ~ペシャワール会26年目の闘い~
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アフガン東部・ニングラハル州。数年前まで荒れ果てていた大地がいま、豊かな麦畑に変わろうとしている。荒れ野を麦畑に変えたのは一本の用水路からの水だ。そして、その用水路の建設に当たったのは数十人の日本人と延べ60万人のアフガン農民たち。
建設の陣頭に立って来たのは日本人医師・中村哲さんだ。中村さんは医師でありながら、干ばつで荒廃した農業を復活させようと、用水路の建設に邁進してきた。完成すれば、およそ3000ヘクタールの緑が甦るという。着工から6年。数々の困難を乗り越えこの夏、完成予定だ。一部通水を始めた水で緑も甦り始めた。しかし、一方で米軍と地元武装勢力の衝突は激しさを増し、空爆による被害者も後を絶たない。干ばつと戦乱で疲弊していくアフガンの人々を尻目に、未だ国際社会は“テロとの戦い”に固執し、軍隊の増派も進められている。だが、中村はアフガンの状況をこう喝破する。「ここで起きていることは政治の問題ではなく“パンと水の問題”だ。アフガンに必要なのは農業ができる環境であって、軍隊ではない」と。 国際社会が“アフガン問題”を巡り議論を繰り返す裏で、戦乱と干ばつは日々深刻さを増し、一刻の猶予もない状態だ。中村医師は渾身の力でこの状況と戦っている。泥沼化するアフガン問題への一つの“解”を示すために。