BSスペシャル「THE MISSING シリア 行方不明者の家族たち」

　およそ１３年にわたり続き、「今世紀最悪の人道危機」ともよばれたシリア内戦。混乱の中で広がったのが市民が突然いなくなる”強制失踪”と呼ばれる現象だ。身に覚えのない罪で市民たちが拘束され収容施設に送られると、消息が途絶えた。その数およそ１７万人以上ともいわれている。しかし、アサド政権下では、公の場で消息を尋ねること自体が政権批判につながるとされ、家族たちは捜すことすら許されなかった。

　２０２４年１２月のアサド政権崩壊からまもなく１年。行方がわからなくなっている身内の情報を求め、多くの家族が動き始めている。首都ダマスカスの中心にあるマルジェ広場には、尋ね人のビラが大量に貼られている。しかし、１３年の戦乱で町は瓦礫と化し、コミュニティも破壊され、生きることすらままならない状況の中で、人探しはとてつもなく難しい。

　こうした中、行方不明者家族たちが家族会を立ち会げ、声を上げ始めている。さらにシリア人報道写真家は、行方不明者の実態を調査し記録するため、家族を見つけては訪ねまわっている。

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